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“ブラック企業”を体験してみた「死ねよ」

2018年11月28日 13:51
“ブラック企業”を体験してみた「死ねよ」

労働条件がひどく、働く人に優しくない「ブラック企業」をリアルに体験できるイベントが先日、開かれた。ブラック企業で働いていた人の声をもとに作られたイベント、その劣悪な環境とは?

恐怖のブラック企業体験、実話をもとに制作された参加型演劇だ。架空の健康器具販売会社の新入社員という設定で参加者はブラック企業を体験できる。

来年就職予定で、現在、大学院に通う学生に体験会に参加してもらった。

上司役「給料からどんどん天引きする!お前らがミスしたりすると、いいか!わかったか!おい、返事しろ!」

役者が演じる先輩社員による理不尽な暴力を見せつけられる。仕事への不安を漏らすと…

上司役「辞めろ、辞めろよ。死ねよ、死んでいいから」

芝居だとわかっていても堪(こた)えるものがあった。

さらに一般の参加者も暴力に加担させられる。

参加者「クズ!」

上司役「(罵倒を)言えなかったら、お前がクズになるんだぞ。嫌だろ?クズになるのは?クズ死ねと言ってやれ」

参加者「死ねクズ!」

上司役「お~し!拍手!」

執ような人格否定と、アメとムチを使い分けられることで暴力に逆らうことができなくなっていく。

体験会の最後に参加者は、反省文を書くように強要される。

大学院生の参加者は反省は「御社に入社したことだ」と劣悪な労働環境の批判を書いたのだが、従順に自己否定を行う他の参加者を前にすると…

大学院生「反省文、この度は皆さまにたくさんの迷惑をおかけしてすみませんでした」

ブラックな空気にのまれ、用意した反省文を読むことができなかった。

大学院生「周りの人にあわせないといけないという空気感や同調圧力に負けて演じきれば乗り切れるという感情がわいてきて、怖いなと思った」

体験会の演出・益山貴司さん「皆さんが役割を果たすのが、私たち自身もそれに対して(暴力を)盛っていく関係が怖かった」

勤労感謝の日にイベント会社が企画したこの体験会は、ブラック企業を味わうことで良い職場とは何かを考える目的がある。

【the SOCIAL trendより】