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石から紙や容器をつくる?素材革命に挑戦3

2018年10月23日 18:07
石から紙や容器をつくる?素材革命に挑戦3

TBM代表取締役CEOの山崎敦義氏に聞く「飛躍のアルゴリズム」。3つ目のキーワードは、「世の中にとって必要なビジネスだけが1兆円プレイヤーになれる」。新素材開発の前に立ちはだかったのは、“資金”という名の壁だった。


■私財を投入、家賃も払えない状況に


――その後の山崎さんは、新素材を開発しようという熱い思いはあるものの、お金がないという苦しい時代が続いたそうですが、当時はどんな状況だったんですか。

僕は20歳の時に起業して、いくつかの事業を立ち上げて、残していたお金がありました。そして、それを全部素材開発に投入しました。ストーンペーパーを取り扱った時も、売れずに赤字が続きました。女房が残していたお金も枯渇して、本当に会社の家賃も払えない状況にまでなってましたね。


――その後、私財もつぎ込んでいくということになるんですね。

そうですね。自分も角と一緒に、二人三脚で素材開発を進めてきましたけど、LIMEXの原型となるサンプルを日本国内で作って、自分の手に触れるようになるまでは、出資をしてもらうということは僕もやりませんでした。

そして、それが手にできたので、そこから一気に資金調達をスタートさせました。その時は2012年~2013年だったんですが、リーマンショック以降で、本当にベンチャーの資金が集まらない状況でしたので、それは本当に大変でした。


――どれぐらいつぎ込まれていたんですか。

まあ、何億というお金でした。でもそのおかげで、こうやってみんなと一緒にチャレンジできているんで。


――苦労を重ねて重ねてできあがったということなんですね。さらに山崎さんの会社には紙に代わる製品だけじゃなくて、プラスチックの代替商品も開発中ということなんですよね。

はい。