北海道で震度7 なぜ地震が発生したのか?
北海道で初めて震度7を観測した今回の地震について、愛知工業大学の教授で、元気象庁・地震津波監視課長の横田崇さんに話を聞いた。
◇今回の地震の特徴
今回の地震は内陸で発生した直下地震と呼ばれるタイプの地震で、神戸の地震や熊本の地震と同じような地震。
◇内陸で発生
北海道ではこれまで、1993年の南西沖地震や、2003年の十勝沖地震のように、大きな地震は東側と西側の海で発生していた。
東側では、千島海溝の上で、大きな海溝型の地震がこれまで起きていた。西側では、新しいプレートの沈み込みが始まっていて、それが南西沖地震を起こした。
これまで、内陸直下の大きな地震は知らなかったが、今回、内陸の地震が発生した。このような地震は、日本のどこででも発生する可能性がある。
◇活断層との関係
今回の地震は、大きな地震を起こす可能性があるといわれていた石狩低地東縁断層帯の少し東にずれた場所が震源となったが、この断層との関係ははっきりしていない。
また、活断層の上だけで地震が発生するわけではなく、断層が見えていない場所でも地震は起こりうる。内陸深く活断層があれば、地上に現れていないため、活断層が知られていないこともある。日本全国、どこでも地震が発生する可能性があるということ。注意が必要。
◇千島海溝との関係
千島海溝で、巨大な地震が発生するのではないかと心配されている。巨大な地震が起こる前に、内陸で地震が活動的になる時期がある。もしかしたら今がその時期かもしれない。また、別の場所で地震が起こるかもしれないので注意が必要。
◇地震による被害
今回の地震で、厚真町では大規模な土砂災害が発生した。雨が続き、土砂災害を起こしやすい状況にあったところに、強い揺れがあって大規模な土砂災害になったのではないか。
北海道では、明日以降、月曜日まで、雨が降り続く予想。大きな揺れで地盤が緩んでいるので、引き続く雨で土砂災害が発生しやすくなっている。従来よりも少ない雨で土砂災害が発生する可能性があるので、十分な注意が必要。