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低迷する国民民主党は… 新代表に玉木氏

2018年9月4日 18:00
低迷する国民民主党は… 新代表に玉木氏

国民民主党の代表選挙で玉木雄一郎共同代表が新代表に選ばれた。この代表選挙で、低迷する国民民主党は生まれ変われるのか?選挙戦でのある変化に注目した。

先週、岡山市内のホテルに到着した1台のバスから降りてきたのは、赤いシャツに身を包んだ玉木氏の支援者たち。

アイドル顔負けのうちわや、横断幕を手に、支援者たちが向かったのは、玉木氏・津村氏が並んだ討論会。

会場には、青いシャツを着た津村氏の支持者もそろった。しかし、激しい論戦が展開されると思いきや、討論は和やかなムードのまま終了した。

国民民主党・玉木氏「津村さんと論戦をやってきて、最大の印象は同じ党でよかったなってこと」

国民民主党・津村氏「具体的な方策としては、私としては、玉木さんと基本的には同じです」

両候補に大きな主張の違いはなかった。

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今からおよそ4か月前に、希望の党と民進党の再結集を狙って発足した国民民主党だが、支持率はわずか1%前後と低迷。

国会では、森友・加計問題などに揺れる安倍政権を攻めきれずに終わった、とも指摘された。

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こうした党の状況について、津村氏は、執行部である玉木氏の責任を厳しく追及した。

国民民主党・津村氏「玉木代表には本気度がうかがえません」

“選手交代”を訴えて立候補したが、その2週間後には…。

国民民主党・津村氏「お互いの誤解というか、理解が深まった、誤解が解けたということもたくさんあって」

玉木氏への批判は下火に。

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対する玉木氏も、これまで「対決より解決」を掲げて、政策の提案を重視する姿勢を打ち出していたものの…。

国民民主党・玉木氏「対決も解決も」

“政権との対決姿勢を強めるべき”との津村氏の主張に同調するかのように、スローガンを修正した。

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結局、大きな対立軸がみられないまま終わった代表選。党内からは「しこりが残らなくてよかった」と理解を示す声の一方、「代表選に関心ない」「どちらも応援していない」といった冷めた意見が聞かれた。

告示日当日には、結党後初の離党者もでた。さらに離党を模索する動きもある。

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4日、玉木氏は互いの主張に差がなかったのではとの指摘に、こう反論した。

国民民主党・玉木新代表「ガチンコ論戦ができた。これだけ真剣な政策論争ができている政党って、うちだけなんじゃないか」

果たして、今回の代表選をきっかけに、低迷する党を立て直すことはできるのだろうか?

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これまでは「対決より解決」を掲げていた玉木新代表だが、今後は「政府との対決姿勢強まる」。記者会見では次のように述べた。

国民民主党・玉木新代表「一番鋭く安倍政権に切り込んでいるのは国民民主党だと。党首自ら刀をもって振り回して、ばったばった斬り倒していっているという姿を見ていただくことが一番早いかなと」

党勢の低迷を受け、党内には立憲民主党などとの連携を求める声が根強くあり、対抗馬の津村氏は「本気の野党共闘」を掲げた。

玉木氏は、党内の結束を保つためにも、政権との対決姿勢を強めて野党との共闘路線に軸足を置かざるを得なくなった形だ。

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しかし、野党共闘が今後進むかというと、そう簡単ではない。

玉木氏は、参議院選挙に向け、野党共同の選挙対策本部を提案したが、立憲民主党の枝野代表は拒否している。とはいえ、野党が割れたままでは、得をするのは与党、安倍政権ということになりかねない。

国民にどういう選択肢を示すのか、野党側は真剣に考えていく必要がある。