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「食品ロス」削減で“お得”に食品ゲット!

2018年8月22日 20:09

月額1980円で飲食店の料理を毎日持ち帰ることのできるアプリや、お菓子やお茶などを激安で購入できるインターネットのショッピングサイト。今、食品をお得に手に入れられるサービスが続々登場している。そのワケとは?

◆アプリでお店の料理が…

都内に住む元生旭さんは、最近リリースされたアプリ『Reduce Go』を頻繁に利用しているという。

元生旭さん「お金がないときに外食したいなっていうタイミングで(使う)。味はめちゃくちゃおいしくて」

『Reduce Go』では、月額1980円で、カフェや製パン店など飲食店の料理を毎日2回まで無料で手に入れられるという。一体、ナゼなのだろうか。

実は、飲食店が提供するのは売れ残って捨てることになりそうな料理。飲食店側はアプリに料理を掲載、ユーザーはその中から欲しい料理を選んでお店に受け取りに行くという仕組みだ。

この日、元生さんが選んだのは、自宅近くのカフェ。

元生旭さん「(Q:きょうもらったのは何ですか?)クロワッサンとドッグロールです」

元生さんにもらわれなければ捨てられていたはずのパンが、この日の夕食になった。

◆定価の4割で商品購入?ショッピングサイトも

一方、定価の4割などで商品を購入できるショッピングサイトも登場した。東京・品川区にある、『KURADASHI.jp』という会員制ショッピングサイトの運営会社では、この日、茶葉などを扱う会社が4種類のお茶を持ち込んでいた。

KURADASHI.jp 関藤竜也社長「プーアール茶の賞味期限が2019年の1月1日。1箱390円相当のところ、半値の195円」

賞味期限まで5か月ほどあるお茶の値段が、およそ半額に!このサイトでも、扱っているのは、賞味期限が短くなり、廃棄することになりそうな商品。格安で仕入れるなどして販売している。

こうしたサービスの狙いは、消費者に安い商品を提供することだけではない。

KURADASHI.jp 関藤竜也社長「食品ロスをなくす。社会のために、有効的に使っていくと」

日本国内だけで年間およそ650万トンにも達する『食品ロス』は、大きな問題となっている。そこで、少しでも捨てられる食品を減らそうという狙いがある。

◆家庭の余った食材、プロの手で生まれ変わり

こうした中、余った食べ物でお得な1品を作ってしまおうというイベントも。

東京・台東区の社会教育センターで行われていたのは、家庭で余った食材を持ち寄り、プロの料理人がレシピをその場で考えてみんなで料理をする、『サルベージ・パーティー』というイベントだ。毎回、集まる食材はバラバラだが、目指すのは“面白い発見のある料理”。

この日持ち込まれた食材は、ソース、にんにく、レタス、かに缶、ゆであずき、パスタなど。シェフは『あずきの缶詰』に頭を悩ませたが、酸味の強いトマトソースの中に入れてパスタソースに!あずきの『甘み』で、トマトの酸味をやわらげるのだという。

参加者「(あずきを)入れたり、聞いたことない。だから食べてみたいなぁ」

そして、夏場に余りがちな『そうめん』は、マカロニの代わりにしてグラタン風にした。さらに、そうめんを細かく砕いて、ひじきの缶詰、しいたけなどと混ぜて、ピーマンの肉詰めの中へ。

参加者「あずきの入っているパスタなんですけど、何かクリーミーな味で、違った料理ができて、本当に楽しい」「やっぱり食べ物は残しちゃいけないんだなと思いました」

イベントは、楽しみながら食べ物の大切さを知る機会になるという。

◆食品ロス削減、実は消費者にもプラス

専門家のニッセイ基礎研究所生活研究部・久我尚子主任研究員は、こうした「食品ロス」を減らすことは、消費者の利益につながると指摘する。

久我尚子主任研究員「食品を廃棄するには、コストがかかっている。そのコストは価格に転嫁されているので、フードロスを減らすというのは、値下げにつながるというメリットも」

“お得”に楽しみながら食品ロスを減らす、そんな新しい取り組みが、今後も登場しそうだ。