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“飲みかけペットボトル”細菌の増殖に注意

2018年8月17日 19:03
“飲みかけペットボトル”細菌の増殖に注意

ペットボトルの飲料は缶に比べて「飲みかけ」でも持ち運んだりするのにとても便利。しかし、そこには「細菌が増殖」するおそれがある。この時期欠かせないペットボトルの飲料に潜む危険性を取材した。

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■口から菌が…30℃前後で最も増殖

連日、各地で体温を超える気温を観測するなど、記録的な猛暑になっている今年の夏。この厳しい暑さの中、熱中症予防や水分補給に欠かせないのが「ペットボトルの飲料」だが…。ある研究機関の実験結果が話題になっている。

福岡市保健環境研究所が行った実験では、麦茶のペットボトルに一度口をつけると、24時間後に細菌が100倍以上に増殖した。実は人体の中でも口は細菌が多い場所。口をつけることによってペットボトルに細菌が移る。しばらく放置して細菌が増殖した後、再び口にすると、体調によっては腹痛や下痢を発症するおそれもあるという。

温度が30℃前後の環境だと最も繁殖しやすいという細菌。まさに今の時期は注意が必要だという。これについてインターネット上では…。

ネットの声「あんなに菌がいたとは気持ち悪い」「再利用してるけど菌やばくない?」「自分の口に、こんなに菌がいるとはショック」

わずかな時間で増殖するというペットボトルの細菌。私たちはどんなことに注意すればいいのだろうか?


■「半日くらいなら」実験結果は?

口をつけたペットボトルで細菌が増殖する危険性について、街の人は…。

30代会社員「なるべく飲み干すようにはしているんですけど、間違えて持ち帰って、カバンに入れたままにすると、後日、家で飲んだりとか、そういうこともありますね」

10代学生「半日くらいだったら、全然セーフだと思います」

「半日程度」なら抵抗なく飲んでしまうという人もいる中、細菌はどれくらい増えてしまうのだろうか。

私たちは食品の安全性などを検査する専門の会社に依頼。一度口をつけて、約半日が経過した麦茶の細菌の状態を調べてもらった。その結果を見せてもらうと、かなりの数、菌が増殖していた。一方、冷蔵庫に保管していた麦茶でも菌は検出されたが、ほぼ増殖はしていなかった。

食品微生物センター・山口憲太社長「冷蔵庫の方が菌が少なくて、常温との差が明らかに見えた。できる限り低い温度で、飲み物は保存した方がいい」

しかし、持ち歩くことも多いペットボトル飲料。メーカー側は、フタを一度開けたら、できるだけ早く飲むことを呼びかけている。また、直接口をつけずにコップに注いで飲むことで、口から菌が移るのを防ぐことができるという。


■放置したら破裂…思わぬ事故も

さらに、細菌の増殖は思わぬ事故を引き起こすこともあるという。「ペットボトル入り炭酸飲料を半分飲み残し、キャップを閉めて常温で1か月置いたら、いきなり破裂。複雑骨折と切り傷を負い、手術を受けて入院した」(80代女性)、「飲み残しのペットボトル入り果実飲料を2日放置。開けようとしたらキャップが突然目に飛び込んで全く見えなくなり病院へ。眼球を傷つけ全治1週間と言われた」(50代女性)などの事例が報告されている。

国民生活センターが行った実験では、ペットボトルの形が変わったり、最悪の場合、破裂するおそれもあるという。

まだまだ続く暑い夏。ペットボトル飲料の扱いには注意が必要だ。