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米・トランプ政権 シリア攻撃の狙いは

2018年4月14日 19:21

アメリカのトランプ大統領は日本時間の14日午前、イギリスとフランスと合同で、化学兵器の使用が疑われるシリアへの攻撃を行ったと発表した。アメリカの攻撃の狙いはどこにあるのだろうか。

攻撃の大義名分は化学兵器の使用に対する報復だが、秋の中間選挙を控えたトランプ大統領が、自らの決断力を示す狙いもあったとみられる。

去年の攻撃はアメリカ単独だったが、今回はイギリスとフランスが参加した。国際世論を味方につけた上で、大規模な軍事攻撃に踏み切ることで、アサド政権の後ろ盾となっているロシアに圧力をかける狙いがあるとみられる。

今後、トランプ政権はシリア情勢にどのように関与するのだろうか。

攻撃対象は化学兵器関連の施設に限定されており、現時点ではあくまで単発の攻撃。

国防総省はロシアに対して明確な事前通告こそしなかったものの、「空中での衝突を避けるため」として攻撃前になんらかのやりとりはあったことを認めた。

政治的な対立を強めても、決定的な軍事対立は避けたいとの配慮があったことをにじませている。

しかし、トランプ大統領自身、シリア情勢については明確なビジョンは描けていないといえる。

国内からは「泥沼のシリア内戦に深く巻き込まれる危険性をもたらした」と懸念する声もがあがっている。