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数兆円の負担に?日本の“現金信仰”コスト

2018年2月7日 15:29
数兆円の負担に?日本の“現金信仰”コスト

世の中で議論を呼んでいる話題について、意見を聞く「opinions」。今回の話題は「根強いニッポンの現金信仰」。日本テレビ経済部・古谷朋大デスクに聞く。


世の中で議論を呼んでいる話題について、意見を聞く「opinions」。今回の話題は「根強いニッポンの現金信仰」。経済産業省がまとめた資料によると、クレジットカードや電子マネーで代金などを支払う「キャッシュレス決済」の比率を比べたところ、中国55%、韓国54%、アメリカ41%なのに対し、日本はわずか18%と、諸外国と比べると、依然として現金比率が高い実態が浮き彫りとなった。

キャッシュレス化について、ネット上の反応を見てみますと「さらに加速していく」「現金と支払いのスピードが全然違う」「確かに便利だけど、インフラ障害に弱い」と様々な声があった。

――この話題についての意見を書いてもらいました。

「現金のコスト」というものを考えてみたいと思います。キャッシュレス社会の善し悪しを議論する際に、利便性以外にも、私たちが現金を使っている中で、かなりのコストを負担しているという視点が結構大事なんですね。

――たとえばどういったものがあるんでしょう。

主に3つあります。まず製造コストです。お札や貨幣を造るのにもお金がかかります。その額、今年度で合計700億円もかかっているんですね。

それから流通コストというのもあります。現金を流通させるためには、数多くのATMが必要です。ボストンコンサルティンググループの調べによると、こういったATMを設置する、そしてそれを維持・管理する費用、あと現金を輸送する費用など、こういったものを合わせると、金融界だけでなんと年間2兆円のコストを負担しているということです。ここには飲食店やスーパーなどの小売業者が、現金を集計したり銀行に預けにいくなどの手間はコストに含まれてないんですね。

それからもうひとつ。脱税や違法取引のコストがあります。ハーバード大学のケネス・ロゴフ教授は、世界中で巨額の現金が、脱税や違法取引に使われていると推定しています。こうしたものは税務署に把握されないので、税金がとれないということになります。仮に現金が無くなれば、もっと税収も増えて、社会保障などの予算が増えるかもしれないということになります。それに犯罪の抑止にも役立つと期待されています。

こうしたものを合わせると、はっきりした統計はないが、おそらく年間で数兆円規模の負担が強いられているということになるわけです。現金かキャッシュレスか、今日話したことも踏まえて、メリットデメリットを慎重に検討していくことが求められます。

――一方で、世界的なキャッシュレス化というのは、加速する一方なので、慎重な議論といいつつ、急がれる検討ではありますよね。

日本以外の国は、ほとんど現金を使わないという国も先進国の中には出ていますので、キャッシュレスの流れの中では、日本ははっきりいって遅れているというのは間違いないですね。


【the SOCIAL opinionsより】