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変わる中学入試 問うのは“思考力”

2018年1月22日 14:26
変わる中学入試 問うのは“思考力”

受験シーズンが始まっているが、いま、入学試験にある変化が起きている。通常の科目ではなく、思考力を問う内容に変化しているようだ。


■プログラミング→プレゼン

埼玉・嵐山町にある私立・大妻嵐山中学校では、今までと異なる入試方式を選べるようになった。プログラミングを使った“プログラミング入試”を実施したという。

プログラミングとは、コンピューターに命令し、様々な動作をさせること。2年後からは小学校の必修科目になる予定だ。今回は、受験生が自分で考え、作り上げた作品を10分間で説明するものだ。


■合格者の作品は?

今回の試験で合格した栗原愛美さんを訪ねた。ピアノ歴6年という愛美さんがプログラムしたのは、ピアノの自動演奏だ。愛美さんはこう話す。

「音楽が好きなので、音楽をプログラミングで楽譜通りに作れれば、自分のピアノの練習のときに使えるのではないかと思った」

「プログラミングだったら、自分が作った物なのですぐに答えられると思ったから」

このプログラムは音階に番号がある。例えば、ドなら「60」、レは「62」のように、楽譜を見ながら1つずつ並べて曲を作ったそうだ。


■なぜプログラミングを試験に?

大妻嵐山中学校の真下校長は、プログラミング入試を実施した理由をこう話す。

「知って、考えて、工夫して、次の行動に移していく。そんな力を試験の中で見ていきたいと思って」


実は、こうした思考力を問う入試は広がりつつあり、約4割の私立中学校で選択できるようになっている。

例えば、東京・北区にある私立・聖学院中学校では、レゴブロックを使った入試を行っている。制限時間90分の間に、テーマに合わせた作品を作り、その作品についての小論文を書くそうだ。


■入試変化の背景は

変わる中学入試。その背景には大学入試の改革にあると進学塾の山中さんは言う。

「大学入試において、思考力とか表現力を問うような問題が増えている」

大学入試改革に合わせて多様化する入試制度。詰め込み式ではなく、自分で考えて表現することがますます問われそうだ。