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“公約”実現 トランプ氏、支持者固め優先

2017年12月7日 6:51

 アメリカのトランプ大統領が6日、帰属を巡って争いのある中東のエルサレムを「イスラエルの首都だ」と認め、アメリカ大使館も移転すると表明した。ワシントンから井上幸昌記者が伝える。

 エルサレムを首都と認めることは中東情勢を緊迫化させる引き金を引くことになるが、トランプ大統領はそうしたことより、「公約の実現だ」と支持者固めを優先させた。

 トランプ大統領「エルサレムをイスラエルの首都と正式に認める時だと判断した」「国務省に対し、アメリカ大使館をテルアビブからエルサレムに移転する準備を始めるよう指示した」

 エルサレムは、イスラエルとパレスチナが帰属を争っている。そのため、アメリカ含め各国は大使館をイスラエルの別の都市に置いてきたが、トランプ大統領は「アメリカの国益」にかなう、などの理由であっさりと首都と認め、大使館の移転も表明した。その背景には、来年1月の政権発足1年を前に、選挙公約が着実に実現していると支持者にアピールする狙いがあるとみられる。

 トランプ大統領は演説で、今回の決定は中東和平を促進するもので、今後も「全力を尽くす」と強調した。しかし、その戦略は描けていないとみられ、北朝鮮問題も含めてトランプ外交全体が迷走を始める可能性も秘めている。