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【解説】意外に知らない?国会のヒミツ

2017年11月24日 19:56
【解説】意外に知らない?国会のヒミツ

 野村修也さんとお伝えする「会議のミカタ」。最終回は、意外と知らない国会のヒミツを解説する。

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■首相も女性も「君」のナゼ?

 Q.国会でよく見る光景。議長が呼びかける時、「内閣総理大臣 安倍晋三君」「橋本聖子君」――女性議員にも、首相に対しても「君(くん)づけ」。これは一体ナゼなのか?

 A.実は、議員は議場または委員会議室においては互いに「敬称」を用いると決まっている。そのため、「君」を使っているという。ただ、絶対守らなければいけないということではなく、以前、全員を「さん」と呼んだ議長もいた。


■過去に2度しか開かれていない「国会」がある

 国会といえば、「通常国会」「臨時国会」「特別国会」。普通、国会はこの3つだと思っている方も多いと思うが、「参議院の緊急集会」という国会がある。

 「参院緊急集会」とは、衆議院の解散から総選挙が行われるまでの間に緊急事態が起きた時に、参議院だけが召集されるもの。過去には昭和20年代に2度しか開催されていない。今年10月に行われた総選挙は、北朝鮮情勢が緊迫する中で行われたので、参議院の緊急集会が開かれる可能性もあると言われ、注目された。


■“予算”委員会なのに…森友・加計問題追及のナゼ?

 Q.来週には衆議院と参議院で予算委員会が開かれる。ただ、実際見ていると、森友・加計問題の追及など予算と直接関係のない質疑も多い。これはナゼ?

 A.委員会は予算をはじめ、法務、総務委員会などさまざまな種類がある。しかし、政府が活動するには何をするにしても必ずお金、いわゆる予算が必要。そのため、特定の法案を審議する他の委員会とは異なり、予算委員会はどんな事でも質問できる。

 また、予算委員会の初めに行われる基本的質疑と最後の締めくくり質疑には、首相以下すべての閣僚が出席するので、質問が多方面に及ぶことが多い。そういう意味で、予算委員会は野党にとっては存在意義を示す重要な機会ということになる。


■「質問」はだれができる?

 Q.無所属の議員、質問できる?

 A.国会での質問は、政党ではなく「会派」に割り当てられる。そのため、政党に所属していない無所属の議員でも「会派」を作れば質問ができる。先月の衆議院選挙では、無所属で出馬して当選した岡田克也議員らが「無所属の会」を結成。会派を組んで活動している。

 会派とは「議院内で活動を共にしようとする議員のグループ」で、2人以上いれば誰とでも組むことができる。しかし、基本的には各会派に所属する議員の数によって国会での質問時間が割り振られるので、小さな会派では数分しかない場合もある。


■国会審議を見る時のポイントは?

 Q.年明けには通常国会も始まる。どんな事に注意して国会審議を見たら良いか?

 A.国会審議は質問する側の力量も試される。単にパフォーマンスに終わらせずに、しっかり準備をして、事実に基づき質問をしているのか。ここを見極めることが大事。