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「さわり」の正しい意味を知っていますか?

2017年9月21日 18:38
「さわり」の正しい意味を知っていますか?

 「さわり」という言葉の正しい意味は「話などの要点」「話などの最初の部分」のどちらだろうか?

■「さわり」という言葉の意味を街で聞いてみると――

 学生(20代)「話の最初の部分教えて、みたいに『さわりだけ教えて』と言うときあります」

 主婦(20代)「話の流れの一番最初の部分みたいな、話の内容の前にさわりでなんとかなんとかみたいな」

 「話の最初の部分」という意味で使われがちな「さわり」。しかし本来の意味は「話などの要点」のこと。

 学生(20代)「合っているのはこっち(要点)って思っているんですけど。やっぱり出ちゃいますよね」

 主婦(20代)「私、日本語分かってないんだなって思います」

 21日に文化庁が発表した「国語に関する世論調査」によると「さわり」の意味について、53.3%と半数以上が本来の意味ではない「話などの最初の部分」と答えている(※浸透しているため誤用とは言えない)。本来の意味の「話などの要点」と答えた人は36.1%だった。

■続いて聞いてみたのは、「ぞっとしない」という言葉の意味。「恐ろしくない」と「面白くない」のどちらだろうか?

 医療関係(20代)「ぞっとしない、恐ろしくない」

 会社員(20代)「怖い映画見たりとかしたときに、恐ろしくない(という意味で)言うかな」

 主婦(40代)「ぞっとするが恐ろしいだから、その反対だから恐ろしくない」

 「ぞっとしない」の本来の意味は「恐ろしくない」ではなく「面白くない」だ。しかし調査の結果を見てみると、「恐ろしくない」と答えた人が56.1%と半数以上(※浸透しているため誤用とは言えない)。本来の意味である「面白くない」と答えた人は22.8%にとどまった。

■年代によって使うかどうか分かれる言葉も。例えば「毒を吐く」という言葉を使うことがあるか聞いてみると――

 会社員(20代)「使う。すごい毒吐くじゃんみたいな感じで」

 学生(20代)「使います。愚痴みたいな話とかしたときに。吐いてスッキリしたわみたいな」

 主婦(70代)「自分たちはあんまり言わない」

 主婦(70代)「毒吐いたねとは言わないけど、悪口よねっていうのは言いますよね」

 年代別に見ると「毒を吐く」という言葉を使うことがあると答えた人は20代から40代で半数以上だった一方、10代と50代以上では3割台以下にとどまった。(16~19歳38.2%、20代54.1%、30代59.8%、40代52.9%、50代30.7%、60代11.3%、70歳以上5.4%)

■さらにもう一問。「存亡の機」と「存亡の危機」どちらの言い回しが正しいか?

 学生(20代)「2つめ。会社の存亡の危機みたいな」

 医療関係(40代)「今でいう、北朝鮮がミサイル撃ってきたら、日本は存亡の危機みたいな、そういう使い方かな」

 83%が「存亡の危機」が正しいと答えたが、本来の言い回しは「存亡の機」(6.6%)だ。

★★★

 本来とは違う言葉の意味や言い回しが広く使われている現状が分かった今回の調査。文化庁は本来の意味ではないものも一般的に広まっているものは誤用とは言えないとしている。