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世界初「海流発電」実証試験へ 鹿児島

2017年7月23日 11:53
世界初「海流発電」実証試験へ 鹿児島

 鹿児島県十島村の海で来月、黒潮の流れを活用して電気を作る世界で初めての「海流発電」の実証実験が行われる。

 いちき串木野市の串木野漁港では三反園知事や関係者が出席しセレモニーが行われた。お披露目された「海流発電」の実証試験機は、総合重機メーカー大手のIHIが約6年かけてNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)と共同開発したもの。

 全長約20メートルの筒の中に発電機が入っている。そして直径11メートルの水車が2つついていて、この水車が30メートルから50メートルの水深で海流を受けて回転し発電する仕組み。この実証機を使って、来月中旬から1週間、トカラ列島の十島村の口之島沖で世界で初めての海流発電の試験を行う予定。トカラ列島には黒潮が流れていて、世界の中でも流れが強いのが特徴。黒潮が安定的に流れているため安定的な発電が期待できるという。

 IHI・石戸利典副社長「大自然のエネルギーそのものなので、それが生活に役立つという形でその一歩を踏み出したという意味で非常にうれしい」

 三反園知事「ぜひこれを成功させて鹿児島の島々の方々が電気を安定的に使えるように作っていきたい」

 試験機の発電出力は100キロワットで、一般家庭約50世帯の電力をまかなえるという。IHIでは、2020年の実用化を目指していて、500から1000キロワットの出力まで高めたいとしている。