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相次ぐ「食中毒警報」予防・対策の最新事情

2017年7月21日 18:58
相次ぐ「食中毒警報」予防・対策の最新事情

 全国で真夏日を記録する中、今月に入り、愛知県の飲食店や佐賀県の保育園などで集団食中毒が発生。確認されているだけで、13道県で起きている。

 そんな中、食中毒に注意するよう呼びかける「食中毒警報」を全国の自治体が発令していると、ネットで話題になっている。食中毒を防ぐにはどうしたらいいのか、食中毒対策の最前線を取材した。

 東京・杉並区の鮮魚店では食中毒予防として、食中毒の原因となる魚の寄生虫「アニサキス」の発見補助器を使っている。アニサキス長さ数センチと小さく肉眼では見つけにくいが、この補助器によってアニサキスを格段に見つけやすくなったという。

 アニサキスは主に魚の内臓に寄生しているが、魚が死ぬと身のほうに出てくるという。発症すると、激しい腹痛やおう吐などの症状が出ることもある。

 東京都健康安全研究センターによると、気温の高い夏で特に注意しなければならないのは、サルモネラ、魚介類によくついている腸炎ビブリオ、O157といった菌だという。

 食中毒菌を“見える化”して防ぐ方法も広がっている。肉眼では見られないサルモネラ菌などの食中毒菌を、スマートフォンで見られる顕微鏡も登場した。

 レンズを通してスマートフォンに映し出される画像は倍率1000倍。1マイクロメートル以上のものを見ることができ、サルモネラ菌や黄色ブドウ球菌なども確認できる。

 家庭でもできる食中毒対策を専門家に聞いた。夏場のお弁当は、レタスやキュウリなど生野菜を入れると洗い残した菌が増殖する可能性があるので、できるだけ避けた方がよく、揚げ物など火を通した物を入れるようにするといいという。

 「梅干しやワサビを入れるとよい」との声も聞くが、梅干しが触れている部分は菌が抑えられても、触れていない部分では菌が増殖するため過信はできないという。

 また、夏場に買い物をする時は、肉や魚などの生鮮食料品は最後に買うようにし、家に帰ったらすぐに冷蔵庫に入れることが大事だ。

 特に生肉や生魚は包装されていたとしても、さらにビニール袋に入れ、肉汁などが他の食材に触れないようにすることで食中毒の予防になるという。

 食中毒を防ぐには、こまめな手洗いも大事だ。親は子どもに口酸っぱく手洗いを促すが、意外に大人がおろそかにしている場合も見受けられるので、自らの態度で示したいものだ。