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話題:「スマホ振る→タクシー来る」アプリ

2017年6月15日 20:37
話題:「スマホ振る→タクシー来る」アプリ

 ネットで話題の言葉を取り上げ、そのウラ側を探っていく「ホットワード」。今回のテーマは「フルクル」。

 いま、スマートフォンでタクシーを呼ぶことができる「配車アプリ」が人気を呼んでいます。スマホでタクシーを呼べるため、とても便利ですが、配車アプリでタクシーを呼ぶと、迎車料金が別にかかってしまいます。

 そこで迎車料金がかからず、「流し」のタクシーを捕まえられるアプリが登場しました。それが「フルクル」です。

 どうやってタクシーを捕まえるのでしょうか。まず、スマホで「フルクル」を起動し、スマホを振ります。これでタクシーが来ます。スマホを「振る」とタクシーが「来る」から、「フルクル」なんですね。これがいま、ネットで話題となっています。

 仕組みを説明すると、まずスマホを振った人の位置情報が、近くを走っているタクシーのタブレット端末に表示されます。タクシーのドライバーは、表示された位置情報を頼りに、利用者の元に向かいます。

 タクシーが近づいてくると、スマホのバイブ機能でタクシーが近くまで来たことを知らせてくれます。そして、タクシーが見えたら手をあげて捕まえると、通常と同じようにタクシーに乗ることができるんです。

 ただし、一つ注意があります。近づいてくるタクシーは「空車」のマークのままのため、向かっている途中で別の利用者が手をあげたら、断ることができません。断ると乗車拒否となってしまうため、法令違反になります。

 このため、スマホを振ったらタクシーは来てくれますが、確実にそのタクシーに乗車できるわけではないのです。あくまで、タクシーに乗りたい人とタクシーの両方が、互いを探しやすくするための「マッチングアプリ」なんです。

 なぜこうしたアプリが作られたのでしょうか。東京のタクシーの9割は、道路を走りながらお客さんを見つける「流し」のスタイルで営業しています。しかし、実際にお客を乗せて走っているのは4割ほどにとどまっているため、タクシーの乗車率を高めるためにどうしたらいいかと考えました。

 空車のタクシーは大きな通りを流している場合が多く、住宅街や繁華街の路地裏でお客を見つけるのは、なかなか難しいそうです。アプリを開発した国際自動車の田中取締役によると、この「見えないお客さんを見える化」することができないかと考え、「フルクル」を作ったそうです。

 また「スマホを振る」という遊び要素が入った「新しいタクシーの乗り方を提案できれば」とも話していました。

 今後は、外国人観光客に向け多言語の対応も検討しているそうです。

 「フルクル」はまだ開発の途中で、今年11月からスタートする予定です。

(解説:コンテンツ開発班・小林整司編集長)