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岸田外相「9条改正は直ちに必要ない」

2017年5月11日 16:08
岸田外相「9条改正は直ちに必要ない」

 安倍首相が憲法9条を改正し「自衛隊の存在をしっかりと位置づける」と表明したことについて、岸田外相は11日、9条の改正は直ちに必要はないとの考えを示した。

 自民党・岸田派会長、岸田外相「(憲法)9条で今すぐに改正することは考えない。まずは平和安全法制がどのような成果をもたらすのかをしっかり見極めようでないかと。少なくとも今日現在までその考えは変わってないということを申し上げています」

 また「総理の発言と私の考え方は、どこが違うのか、同じなのか一度よく確認したい」と述べた。

 ポスト安倍を狙う岸田外相としては、安倍首相との憲法観の違いを明らかにすることで存在感を示す狙いもあるとみられる。

 一方、衆議院の憲法審査会は、安倍首相が憲法を改正して2020年施行を目指す方針を表明したことに民進党が反発し、11日の質疑が取りやめとなった。民進党は「行政府の長による立法府への介入で安倍首相の発言の真意を明らかにする必要がある」などとしている。

 与党側は来週18日の審議再開を目指して野党側と断続的に協議を続けている。また、これに先立って萩生田官房副長官は衆議院の議院運営委員会の理事会に出席し、安倍首相が8日に国会で憲法改正についての具体的な考えを聞かれた際に、新聞のインタビュー記事を熟読してほしいなどと答弁したことについて釈明した。

 萩生田副長官は「安倍首相の憲法改正に関する発言は自民党総裁としての発言であり、一政党の意見を国会の場で言うべきではないという趣旨だった。国会軽視ではない」などと理解を求めたという。