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北朝鮮がミサイル発射も失敗“領土越えず”

2017年4月29日 8:41

 北朝鮮が29日朝、弾道ミサイル1発を発射し、失敗したとみられる。韓国・ソウルから藤田賢治記者が伝える。

 アメリカからの圧力が強まり続け、関係各国がまさに北朝鮮への対応について協議をしている時期に、北朝鮮が弾道ミサイルの発射を続けるという姿勢が改めて強調された。

 韓国軍とアメリカ軍によると、北朝鮮は29日午前5時半頃、平安南道の北倉付近から北東方向へミサイルを発射し、失敗したと推定されるという。発射されたのは内陸で、弾道ミサイルは北朝鮮の領土を越えることはなかったという。アメリカメディアは一斉に、アメリカの軍当局者の話として、発射されたのは中距離弾道ミサイル「KN-17」だったと伝えている。

 発射のタイミングとしては、28日に国連の外相級会合で北朝鮮問題が話し合われた時期であり、また、今後、アメリカの空母「カール・ビンソン」が自衛隊や韓国軍などと共同訓練のために日本海に入る時期とも重なっていて、関係国をけん制する狙いもあると考えられる。

 北朝鮮は今月5日と16日などにも弾道ミサイルの発射に失敗していて、これで4回連続で発射に失敗したものとみられ、韓国軍の関係者は「技術的な欠陥があるか、なんらかの新しい発射実験をしている可能性がある」と分析している。

 一方、韓国軍の関係者は「発射にはアメリカと韓国への武力示威の狙いがあるが、北朝鮮は技術的に必要であれば、タイミングに関係なく弾道ミサイルを発射するものとみている」としている。