“盆栽の聖地”に外国人殺到!世界盆栽大会
4年に1度しか開かれない“世界盆栽大会”が、28年ぶりに日本に帰ってきた。海外でも人気が高まっている盆栽。“盆栽の町”は多くの外国人でにぎわっている。
■“1億円以上”の盆栽も
28日午前、埼玉県にあるイベント会場の前には、大勢の外国人らで長蛇の列ができていた。会場の中にも、カメラを持ったたくさんの外国人の姿が。
見つめる先にあるのは、“盆栽”だ。1億円以上するという名品には、人だかりができていた。
100点もの盆栽を持っているというカナダ人はこう話す。
「23年来のBONSAI愛好家です。盆栽は芸術でもあり文化でもあり、自然も表しています」
■南アフリカからはるばると
さいたま市で27日から始まったのは、“世界盆栽大会”。4年に1度、世界中の盆栽愛好家が集まるイベントで、300点を超える作品が展示されているほか、デモンストレーションも行われていた。
南アフリカから来たという女性は購入を考えていたが、値段に驚きの表情を浮かべていた。
「7万円に、こっちは4万5000円ね。すごく美しいわ、美しい!でも盆栽ってすごく高価なのね。私たちにとっては高いわ」
■盆栽の聖地“盆栽村”
1989年に埼玉県で始まった世界盆栽大会。実に、28年ぶりに大会発祥の地での開催となった。なぜ、さいたま市で盆栽なのだろうか。
会場の近くを歩いてみると、盆栽村と書かれた標識を発見。さらに、マンホールや路上のタイルにも盆栽が。
実は、さいたま市内には、関東大震災で被災した東京の盆栽業者が移住してできた“盆栽村”と呼ばれるエリアがあり、“盆栽の聖地”とも呼ばれている。
■盆栽の輸出額は9年間で約10倍
市内の飲食店では大会を盛り上げようと、盆栽にちなんだメニューを提供している。
焼き飯の上に大きなステーキをのせ、クレソンやブロッコリーを葉っぱに見立てたボリュームたっぷりの“盆栽特製ステーキ丼”はその1つだ。この店の店長は、世界盆栽大会の開催についてこう語る。
「いいですね。最高にいいんじゃないですか。みなさんで商店街を盛り上げる、外国から来たお客さんをもてなすということでは、いいことだと思います」
海外で広がる盆栽人気もあり、日本からの輸出額は、2004年からの9年間で約10倍に急増。ここ数年も、高い水準が続いている。
■「盆栽は人々に夢を見せてくれます」
海外には専門店もある。ヨーロッパの美しい町並みの中に置かれた盆栽。フランス・パリで盆栽を扱うお店では、店先や店内にきれいに手入れされた盆栽が並んでいる。フランスの盆栽愛好家に、盆栽について尋ねると――
「盆栽は美しい上に、しっかり手入れしなければいけないので、熱中してしまう。女性よりも手がかかるよ」
若者から高齢者まで、幅広い世代から人気があるという。店長によると「盆栽は昔も今もパリの人々に夢を見せてくれます」ということだ。
海外にも、ますます広がりを見せる盆栽人気。28年前に行われた世界盆栽大会の第一回大会にも参加したというイタリア人の男性はこう語る。
「ここ30年間で盆栽文化はとても飛躍したと思います」
人気はどこまで広がるのだろうか。