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「バイエル薬品」カルテ無断閲覧を内部告発

2017年4月19日 21:48
「バイエル薬品」カルテ無断閲覧を内部告発

 大手製薬会社「バイエル薬品」の男性社員が上司の指示で患者のカルテを無断に閲覧したと内部告発した。男性の代理人が19日、会見を開き、「バイエル薬品は速やかに調査結果を公表し、厚生労働省は適正な処分をすべき」と主張した。

 代理人によると内部告発したのは、バイエル薬品の宮崎県の営業所の男性社員。男性社員は5年前、血栓症の治療薬「イグザレルト」販売のための調査をした際、上司の指示で宮崎県内の医師に依頼し、約200人分のカルテを患者の同意を得ずに閲覧したという。

 男性社員は2年前、会社側に問題を訴えていたが、「社内で非公式な対応にとどめる」などと説明され、去年7月、厚生労働省に告発していた。

 バイエル薬品は今月10日、「不適切な閲覧があった」と初めて公表していたが、代理人は19日の会見で、「本社の主導的関与が明らか」などとして「バイエル薬品は速やかに調査結果を公表し、厚労省は適正な処分をすべきだ」と主張した。

 バイエル薬品は「真摯(しんし)に受け止め、すでに外部の専門家による検証を進めながら、関係当局とも密に相談しております」とコメントしている。