“他人”のiPS細胞で世界初の移植手術
再生医療に重要な役割を果たすと期待されるiPS細胞。28日、世界で初めて“他人”のiPS細胞を使った網膜の移植手術が行われた。
神戸市立医療センター中央市民病院の高橋政代医師らによると、“他人”のiPS細胞を使った世界初の移植手術は28日午後2時頃から始まり、合併症もなく、予定通り1時間で無事終了したという。60代の男性が患者で、国内で70万人以上いるとされる「加齢黄斑変性」という目の難病を抱えていた。
高橋医師「今回は他家移植ですし、手術だけでなく、その後の拒絶反応がどうかというのが非常に重要になります。これから慎重にしっかりと診療していかないといけない」
2年半前の手術は患者自身のiPS細胞を使うものだったが、“他人”のiPS細胞は備蓄が可能になるため、準備期間と費用が大幅に軽減され、再生医療のさらなる普及に期待が寄せられている。
網膜以外の部位での研究にとって“試金石”にもなる今回の手術。高橋医師らはさらに5人以上の患者に対し、同様の手術を行う方針。