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海上自衛隊 練習機2機フィリピン軍へ貸与

2017年3月27日 21:22
海上自衛隊 練習機2機フィリピン軍へ貸与

 自衛隊の練習機2機が防衛協力の一環としてフィリピン軍に貸し出され、27日、現地で記念式典が行われた。自衛隊機が他国へ引き渡されるのは今回が初めて。

 フィリピン海軍に貸与されたのは、海上自衛隊の練習機「TC-90」2機。日本時間の27日午前、マニラ近郊のサングレー海軍基地に着陸し、若宮防衛副大臣とフィリピンのロレンザーナ国防大臣が出席する中、式典が行われた。

 若宮防衛副大臣「TC-90の移転事業は、まさに海洋情報把握等に関するフィリピンの能力向上につながるものであり、地域の平和と安定にも資するものというふうに考えております」

 南シナ海で中国が軍事拠点化を進める中、フィリピン海軍が保有する哨戒機は旧式で、フィリピン政府は航続距離が倍の自衛隊機を活用し海上監視能力を高めたい狙いがある。防衛省はパイロットの訓練や機体の整備も支援しており、今後さらに3機貸与する予定。

 自衛隊の航空機が他国に貸与されるのは、2014年に武器輸出の条件が緩和されてから初めてで、防衛省は、今後も引き続き東南アジア諸国に自衛隊で不要になった中古装備品を移転し、防衛協力を深めたいとしている。