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残業月100時間「やむを得ない時の上限」

2017年3月14日 16:31

 繁忙期の残業時間上限を「月100時間未満」で調整していることをめぐり、塩崎恭久厚生労働相は14日の会見で、「100時間というのはやむを得ないときの上限」とした上で、過労死を防ぐ総合的な対策を取りまとめる考えを示した。

 政府が導入を目指している残業や休日労働など時間外労働の上限規制について、忙しい時期でも、1か月の上限は「100時間未満」となる見通しだが、過労死や過労自殺で家族を亡くした遺族らからは反対の声が上がっている。

 こうした指摘に対し、塩崎厚労相は14日の会見で、「『月100時間』は、やむを得ない時の上限」だとした上で、「やむを得ない場合でも、安易に上限を締結するのではなく、月45時間・年360時間という残業時間の原則的上限にいかに近づけるかが大事だ」と述べた。その上で、パワハラ防止などを含めた、過労死を防ぐ総合的な対策を取りまとめる考えを示した。

 残業や休日労働などの時間外労働の上限規制については、13日、経営側の「経団連」と労働側の「連合」の間で、「繁忙期の場合の上限は、2か月~6か月の平均は80時間以内とし、単月は100時間を基準値とする」「できるだけ月45時間・年360時間の上限に近づける努力が必要」などとする合意が結ばれている。

 経団連の榊原定征会長と連合の神津里季生会長はいずれも、「残業月100時間はあくまでも特例であって、そこまで働かせてよい、ということでは決してない」と強調していて、神津会長は、「これから過労死・過労自殺を根絶することに向け歩を進めたい」「政労使でさらなる努力が必要だ」と話している。