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ワンオペ育児の実態 「地雷ワード」って?

2016年12月9日 18:27
ワンオペ育児の実態 「地雷ワード」って?

 母親1人で子育てをする様子を、従業員1人だけで営業を行うファストフード店に例えた「ワンオペ育児」という言葉がインターネットで話題になっている。夫や親の協力を得ることが難しい母親の子育てを「news every.」鈴江奈々キャスターが取材した。

 「ワンオペ育児」に対し、ネット上では「まるでうちの事だ」「男の子育てを許さない社会がある」「育児を片方に任せるのは無理」という声が聞かれた。

 今回、鈴江キャスターは「ワンオペ育児」の実態を取材した。

 東京・江戸川区に住む細野英実さん(34)。夫と長女・愛友花ちゃん(3)、生後8か月の長男・純平くんとの4人暮らしだ。現在、育休中だが、来年4月から復職が決まっている。

 鈴江キャスター「ワンオペ育児だなって思うときは?」

 細野さん「保育園の送迎からご飯を食べさせたりもそうですし、夜、お風呂に入れて寝かしつけるまでほとんど1人でやっているので、漠然とは主人の方も大変そうだなとは思ってくれてるとは思うんですけど、具体的なところまではあまり理解されていないと思います」

 レジャー関連企業で営業をしている夫の帰宅は午後11時を過ぎることも多く、近くに両親もいないため、1人きりで育児せざるを得ない状況だという。

 細野さんが特に忙しくなるのは、夕方から夜にかけての時間だ。2人の子供たちの相手をしながら食事の用意や片づけ、お風呂にいれたりと手いっぱいだという。子供たちが寝るのは午後8時半頃だが、長男の夜泣きの度に起きなければいけないので睡眠不足になりがちだという。

 夫の晃史さんは「ワンオペ育児」について…

 Q:育児に関しての会話は、ご夫婦の中でありますか?

 細野さんの夫・晃史さん(46)「正直(コミュニケーションが)取れてないから、こういう形で取材になっていると思うんですよね。そこは僕としては反省するところ。お互いもう少し話し合う時間があったり、そこで(育児を)分担できれば、ワンオペ育児にはならないと思います」

 細野さん「私も怒りをぶつけてしまうのは、申し訳ないなと思います」

 総務省の社会生活基本調査によると、夫婦の育児や家事などに使われる時間は妻が5時間4分に対し、夫が46分だという。女性の社会進出が進んでも、育児や家事の大半を女性が担っている状況になっている。


■求められる働き方改革

 男性の育児参加を増やすには、働き方の改革が求められている。サントリーグループは自宅など会社の外で働く「テレワーク」を、男女を問わず導入した。

 テレワークを利用しているサントリー酒類の堀口善裕さん(32)。共働きで2歳の子供がいる3人家族だ。取材した日は、自宅で午前5時半から1時間、パソコンで仕事をしていた。午前8時に保育園を訪れて長男を送り届け、会社に向かった。

 10分単位でテレワークの利用ができるように制度を見直した結果、去年はサントリーグループの利用対象者6500人のうち、半分以上の約3600人が利用しているという。

 政府も、こうしたテレワークなどの新しい働き方の普及に向けての検討を始めている。


■妻への「地雷ワード」に禁物を

 育児や家事の分担がどうしたら円滑に進むのか、専門家の高祖常子さんによると、妻に対する夫の「地雷ワード」がある。「手伝おうか?」「頑張ってね!」などのように「子育ては妻がやるものだ」という前提で話をすると、もめることが多いという。

 妻側の注意点もある。例えば洗濯について、「その畳み方は違う!」など自分のやり方を押しつけてしまうと、結局うまくいかないことが多いという。

 任せるのであれば、できるだけ口を出さないようにすることも分担をうまく進めるコツだという。