投稿で世界が変わる?夢見るユーチューバー
いつでも見ることができ、誰もが投稿できる人気の動画サイト「YouTube(ユーチューブ)」。動画を投稿する人々の目的も様々のようだ。
■ユーチューブが運営 無料スタジオ
アメリカ・ニューヨークの撮影スタジオ。地下鉄のセットではミュージックビデオの撮影、レストランのセットではドラマの撮影、料理番組も撮影されている。
このスタジオは、インターネットの動画サイト「ユーチューブ」が運営していて、プロ仕様の撮影と編集の機材がそろっていて、まるでテレビ局のようなスタジオだ。そして、ユーチューブに投稿する人が無料で使えるとあって利用者が増えている。
■ユーチューブで生活する
ユーチューブが立ち上がったのは11年前。創設者が動物園での自分を撮影したビデオを公開したのが始まりだった。今や世界で10億人が利用している。
最近では自分の動画に広告を掲載し、その広告収入で生活している人が増えている。その名も「ユーチューバー」。アメリカは動画大国。その趣向はバラエティに富み、手も込んでいる。
例えば、アメリカ・オバマ大統領のモノマネをしながら曲に合わせて社会を風刺する動画は、2200万回以上再生されている。
また、テレビゲームの遊び方を紹介する動画を投稿する人は、4300万人ものファンが購読。これによる年間収入は、13億円とも言われている。
■ホワイトハウスにユーチューバーが
ユーチューバーは特に若者に影響力のある存在で、オバマ大統領も定期的に人気ユーチューバーをホワイトハウスに招く機会を設けているほど。若者に政治的なメッセージを伝えるのにも、ユーチューブが一つの手段だと認識しているのだ。
■広告収入アップ目指して講習会
動画の充実を図るユーチューブは、広告収入が見込めるビデオの作り方講習会も開く。
ユーチューブの担当者「重要なのは、自分の動画を見てくれた人が、どうすれば自分の作った他の動画も見てくれるようになるかを考えることです」
講習会に参加した人たちは皆、真剣なまなざしだ。
ユーチューブ担当者「動画につけられる広告からの収入は、動画制作者とユーチューブで折半されます。多くの動画が投稿されればされるほど、ユーチューブにとっての収益につながります」
■歌手を夢見るユーチューバーの元へ
そんなユーチューバーは一体、どんな生活を送っているのか。ニューヨーク在住で、プロの歌手を目指しているヤニザ・ドーラさん(23)を訪ねた。ヤニザさんのページの購読者は5000人ほど。自費でアルバムも作っている。
普段は保育園の先生で、仕事が終わると音楽制作の時間。ネタ帳には曲のアイデアがびっしり。週に1回、流行曲を自分のスタイルで歌って投稿する。
今回、投稿するのはイギリスのポップグループ「One Direction」の「Perfect」という曲。楽譜を読み込み、練習。マイクは自前。メイクもお手のもの。友人がカメラを持ち、ピンッと張り詰めた雰囲気の中、いざ本番。編集を終えると、投稿する。
ヤニザさん「普通なら私のことを見つけてもらえないような人にも、私のことを知ってもらうことができるんです」
歌声は世界中で見られ、聴かれている。そして、動画を見た人が広告をクリックすると、ヤニザさんにお金が支払われる。
ヤニザさん「私は、自分の音楽を人々と共有したいんです。ユーチューブには、それを実現する多くのチャンスを与えてくれるのがうれしいです」
新しいエンターテインメントが生まれる場所として、人々の生活に確実に定着したユーチューブ。今日も新たな才能が、成功を夢見て制作を続けている。