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BPO「放送倫理違反」 テレ朝「真摯に」

2015年2月9日 21:28
BPO「放送倫理違反」 テレ朝「真摯に」

 テレビ朝日のニュース番組「報道ステーション」が去年9月、原子力規制委員会の田中委員長の記者会見を不適切に報じた問題で、BPO(=放送倫理・番組向上機構)は9日、客観性と正確性などを欠いた放送倫理違反と判断する意見書を公表した。

 この問題は、田中委員長がほかの質問に答えている映像を流してしまう「取り違え」や、田中委員長が記者への回答を拒んでいるように見える「不適切な編集」が行われたもの。意見書では、担当ディレクターらの「故意」や「恣意(しい)的・作為的編集」は確認されなかったとした。

 一方、一つのニュース項目に多くの人が関わる「分業」の進みすぎなどが原因になったと指摘した上で、「取材対象にもフェアな報道姿勢とは言い難い」などとして、放送倫理違反と判断した。

 このほか、テレビ朝日が原子力規制委員会の抗議を受けて放送2日後に番組でおわびと訂正をしたことや、再発防止策をまとめたことには一定の評価をした。

 意見書についてテレビ朝日広報部は「決定の内容を真摯(しんし)に受け止め、今後も正確で公平・公正な報道に努めてまいります」とのコメントを出している。