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立てこもり現場突入、兄弟死亡 新聞社襲撃

2015年1月10日 7:51

 12人が死亡したパリの新聞社襲撃事件をめぐって9日、2つの立てこもり事件が相次いで起きた。日本時間10日未明、治安部隊が同時に突入し、新聞社襲撃事件の兄弟2人を含む容疑者3人が死亡した。兄弟が立てこもったパリ郊外、ダマルタン・アン・ゴエルの現場から小島康裕記者が中継。

 立てこもりが始まってから8時間近く経過した日本時間10日午前1時過ぎ、発砲音や爆発音がして警察が突入し、2人が立てこもっていた建物からは白い煙があがった。その際、銃撃戦となったが、新聞社「シャルリー・エブド」を襲撃したサイード・クアシ容疑者(34)とシェリフ・クアシ容疑者(32)の兄弟は死亡した。

 当初人質が1人いるとされていたが、地元メディアによると、建物内に1人隠れていた人がいて、容疑者の行動や様子などを捜査当局に伝えていたという。

 突入作戦を受けて、日本時間10日午前4時前、オランド大統領が声明を発表。「我々の最大の武器は団結だ。テロに対して、断固抗議しなければならない」と、国民に団結を呼びかけた。
 
 事件の背後関係はまだわかっていないが、米紙・ニューヨークタイムズなどは、兄のサイード容疑者はイエメンの国際テロ組織「アルカイダ」で軍事トレーニングを受けた経験があると伝えている。またAFP通信は、2つの事件の容疑者のうちの1人が、イエメンのアルカイダから犯行の指示と資金提供を受けていたと伝えている。