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インド洋津波10年 日本人死亡の地で式典

2014年12月26日 14:30

 約23万人の死者・行方不明者を出したインド洋大津波から26日で10年を迎え、日本人28人が死亡したタイ南部では追悼式典が行われた。

 プーケットなどタイ南部では日本人28人も犠牲になっていて、式典には日本人の遺族らが参加した。式典は、津波がプーケットの浜辺まで到達した時間にあわせて行われた。式典の会場では遺族や関係者らが集まり、祭壇には多くの花が手向けられた。

 当時、新婚旅行中だった長女の由美さんを亡くした田中章さんは式典で、「スマトラ沖の地震・津波が、日本人の心から忘れ去られていくのが、一番さみしいことです」と話した。

 2004年、インドネシア・スマトラ島沖を震源とする巨大地震で発生した津波では約23万人が死亡・行方不明となった。10年がたち、プーケットでは津波の爪痕はほとんど見られず、浜辺近くに防潮堤が造られていないなど対策も十分とは言えない。復興が進む一方で、いかに記憶を風化させないかが課題となっている。