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舛添氏なぜ当選?国政への影響を解説

2014年2月10日 0:38
舛添氏なぜ当選?国政への影響を解説

 9日に投票が行われた東京都知事選挙で、無所属の新人で元厚労相の舛添要一氏(65)が初当選した。舛添氏の勝因と国政への影響について、日本テレビの青山和弘解説委員が解説する。

 今回の舛添氏の勝因は、投票率が46%台と非常に低い水準となった中、舛添氏が支持層をきっちり固めたことにある。日本テレビと読売新聞の出口調査では、自民党支持層の6割、公明党支持層の8割が舛添氏に投票している。また、舛添氏は無党派層にも一定の支持を広げ圧勝につながったというわけだ。

 また、細川元首相が「脱原発」を掲げて立候補したことの影響だが、出口調査で投票の際に重視した政策を尋ねたところ、原発などエネルギー問題は3位になっている。エネルギー政策は基本的に国の政策で、東京都そのものには原発は一基もないことを考えれば、今回投票で重視した人は多かったと言える。そして原発・エネルギー政策を重視した人の7割近くが細川氏に投票している。しかし、細川氏と小泉元首相が思ったほどの大きなうねりにはならず、医療や福祉、景気や雇用を重視する人に浸透した舛添さんに軍配が上がった形。

 選挙結果の国政への影響だが、官邸は今回の選挙結果に安堵(あんど)している。菅官房長官も9日夜、「(安倍政権と)ほぼ方向性を一つにする舛添知事が誕生したことは、これからの政権にとっても、日本にとっても極めて大きな成果があると思う」と話している。また、首相周辺も舛添さんは1回目の安倍政権での厚労相ということもあって、「連携はうまくいくだろう」と期待感を示している。

 また、小泉元首相の影響力だが、小泉氏は結果を受けて「残念な結果ですが、これからも原発ゼロの国造り目指して努力を続けて参ります」とのコメントを発表している。これに対して安倍政権幹部は「これで小泉さんの影響力は相当落ちると思う」と話している。

 エネルギー政策を巡っては、石破幹事長も「自民党の政策が現実的なものとして理解された」と話している。安倍政権にとっては首都決戦での勝利を今後の安定した政権運営につなげたい考え。