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近鉄グループの旅館、豪州産を「和牛」表示

2013年10月31日 21:30
近鉄グループの旅館、豪州産を「和牛」表示

 近鉄グループが運営する「奈良 万葉若草の宿 三笠」で、「和牛」とメニュー表示しながらオーストラリア産の牛肉を使用したり、産地の異なる野菜などを提供したりしていたことが分かった。

 奈良市川上町にある「奈良 万葉若草の宿 三笠」では、会席料理で「和牛」とメニュー表示しながらオーストラリア産の牛肉の成形肉を使用したり、「吉野葛餅」と表示しながら産地の違う葛粉を使用したりする虚偽表示が10品あったと発表した。

 近鉄旅館システムズ・北田宣之社長「(料理長が)勝手に自分で仕入れた肉を和牛と解釈し、和牛として使い続けた。調査すると、オーストラリア産の成形肉だった」

 このメニューを食べたのは修学旅行生など約2万5000人に上り、「全額返金に応じる」という。

 また、近鉄グループの「シェラトン都ホテル大阪」など7つのホテルでも「牛ビーフステーキ」と表示しながら、実際は牛脂を注入した加工肉を使用していたとしたが、こちらは意図的ではなく産地の偽りもないことから、「返金は行わない」という。

 さらに、京都市上京区の「京都ブライトンホテル」でも、料理名に不適切な表示があったことが分かった。ホテル内の中国料理店で、「車エビ」や「芝エビ」と表示していたにもかかわらず「バナメイエビ」を使用していたり、「チリアワビ」と表示しながら「ロコガイ」を使用したりしていた。5月の内部調査で明らかになり、6月から7月にかけて店頭におわびの文書を掲示したという。

 一方、阪急阪神ホールディングスは中間決算の発表で取締役らが謝罪し、再発防止とグループの信用回復に取り組むとしたが、今後の業績見通しについては「どのような影響が出るか分からない」と話した。阪急阪神ホテルズは31日までに2715万円(1万3510人分)の返金に応じたという。