×

原子力規制委、大飯原発で初の現地調査

2012年11月2日 21:34
原子力規制委、大飯原発で初の現地調査

 大飯原発(福井・おおい町)の敷地内を走る断層が活断層かを確認するため、原子力規制委員会の調査団が2日、初めて原発の敷地内に入り、現地調査を行った。調査では、専門家が断層を目で見て確認し、表面を削るなどして比較的新しい時代に動いた形跡があるかが調べられた。

 2日の調査では、大飯原発の2号機と3号機の間を走るF-6断層と呼ばれる断層に沿って掘られたトレンチという穴の中に入って、活断層の判定基準となる12万年から13万年前以降に活動した形跡があるかどうかが調べられた。

 F-6断層は、一部の専門家から活断層である可能性が指摘され、「関西電力」は国の指示で再調査を行っているが、先月31日、「現時点で活断層であることを示す証拠は確認できない」とする中間報告を提出している。しかし、2日の調査で、活断層である可能性が認められれば、規制委員会は大飯原発の運転停止を求める方針。また、大飯原発の他にも、敦賀原発(福井・敦賀市)など5か所の原発について活断層に影響される可能性を指摘。今後、現地調査を行うとしている。

 調査団のメンバーの中には、活断層の可能性を指摘する専門家も含まれている。現地調査をした東洋大学・渡辺満久教授は「やわらかい。あまり安定はしていないかなという雰囲気」と述べた。また、調査後の会見では「今までと比較して確実に地層を切っているのを確認したので、そういう意味で(疑いの)レベルは上がったと思う」と語った。原子力規制委員会は、調査結果を基に活断層かどうかを判断する会議を4日に行うとしている。

 こうした動きに、地元住民からは「しっかり調べて原発あかんもんならやめてほしい」「不安の方が大きい。原発の町としてきた町やからね」と言った声が上がっている。