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67年ぶり…日本人遺族が北朝鮮で墓参り

2012年10月27日 21:29
67年ぶり…日本人遺族が北朝鮮で墓参り

 終戦前後の混乱の中で亡くなった日本人の遺骨が北朝鮮に残されている問題で、北朝鮮で生まれ育った兄弟が26日、父親の墓参りのために67年ぶりに現地を訪れた。

 今回、北朝鮮を訪れているのは、終戦前後の混乱の中、家族らを失った遺族ら8人。一行は墓参をするために地方都市に向かった。

 北東部・清津は、当時、多くの日本人が住んでいて、今でも多くの日本人の遺骨が残されているという。清津で生まれ育った木村繁さん(81)と弟・幸弘さん(71)の父親は、戦後に病気で亡くなった。2人がこの地に足を踏み入れたのは67年ぶりだという。

 繁さんの記憶と地図を手がかりに、2人は、当時、実際に家があった場所にたどり着くことができた。2人は両親の遺影を前に、線香とたばこを供え、静かに手を合わせた。幸弘さんは「共和国(北朝鮮)の各地に、それぞれの命を落とした方がいました。純粋に、我々国民同士が絆を深められればと思っております」と話した。

 国交がない中で、遺族も高齢化するなど依然として課題はあるが、関係者は、来月にも墓参を予定するなど、定期的に北朝鮮を訪問する機会を設けるとしている。