×

拉致被害者帰国から10年…家族らに危機感

2012年10月15日 10:58
拉致被害者帰国から10年…家族らに危機感

 北朝鮮による拉致被害者5人が帰国して15日で10年がたった。しかし、日朝間の協議が進まず、拉致被害者12人がいまだ帰国を果たしていない。家族らは強い危機感を訴えている。

 78年に北朝鮮の工作員に相次いで拉致された蓮池薫さん・祐木子さん夫妻や地村保志さん・富貴恵さん夫妻、曽我ひとみさんの5人は02年10月15日、北朝鮮から24年ぶりに帰国を果たした。それから10年がたったが、政府が認定しているだけで12人の拉致被害者がいまだ帰国を果たせていない。

 日朝の間では、今年8月に4年ぶりに双方の外務省の課長級が協議したが、その後1か月半たった今も、次のステップとなる局長級の協議の日程は決まっていない。また、17日には日米韓3か国が局長級会合を開き、拉致問題も議題とする予定だが、問題解決への具体的な進展は見通せない状況となっている。

 家族らは安否に関する情報すら得られない現状に強い危機感を抱いていて、北朝鮮の指導者が代わったのを機に、日本政府が北朝鮮側にさらに強く働きかけることを求めている。