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全員撤退の話なかった~現場指揮の東電社員

2012年7月20日 14:28
全員撤退の話なかった~現場指揮の東電社員

 福島第一原発事故が起きた当時、現場で指揮を執っていた「東京電力」の社員が初めてテレビのインタビューに応じ、「全員が現場から撤退するという話はなかった」と証言した。

 事故発生から4日後の去年3月15日未明、東京電力の当時の清水社長が首相官邸側に撤退を申し出たとされる問題では、これまで、全面撤退だと捉えた政府側と、一部の退避だとする東京電力側の主張が食い違っていた。

 これについて、当時、原発内で復旧の指揮を執っていた東京電力の幹部社員は「我々がプラントを見捨てて逃げ出すという話は一切なかった。2号機が厳しい状況になりまして、免震重要棟の緊急対策室の中の線量も非常に高くなった。この作業状況を続けられる必要な人間はそこに残って、それ以外の人は一時的に、福島第二(原発)の方に退避をする。(その)決定は所長によってなされましたが、全員が撤退する、そういう話はなかったと思う」と述べた。

 また、この社員は「2号機に注水ができなくなり、敷地内の放射線量も高くなった時、死を免れないと思った」と振り返っている。