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ASEAN会議閉幕 共同声明採択は見送り

2012年7月14日 9:19

 カンボジアで開かれていたASEAN(=東南アジア諸国連合)の一連の会議は13日、閉幕した。一部の国と中国が領有権を争う南シナ海の問題で調整が難航し、共同声明の採択が見送られる異例の事態となった。

 南シナ海問題が最大の焦点となった外相会議では、フィリピンが、中国との間で争いが起きている具体的な事例を共同声明に盛り込むよう求めたのに対し、議長国のカンボジアが反対していた。今回で45回目となる外相会議で共同声明が採択されないのは初めて。

 ASEANとして中国への懸念を表明したいフィリピンやベトナムと、中国の経済援助を望むカンボジアなどの溝は埋まらず、経済力を背景に議長国のカンボジアを取り込んだ中国の思惑通りとなった。

 ASEANは、南シナ海問題の平和的解決のため、法的拘束力のあるルール作りを中国と始めたい考えだったが、足並みの乱れから協議の開始を正式に決めることはできなかった。今回の会議は、ASEANにとっては大きな亀裂と課題を残す結果となった。