×

五輪の聖火ランナーに選ばれた人とは?

2012年5月19日 21:09
五輪の聖火ランナーに選ばれた人とは?

 ロンドンオリンピックまであと69日。イギリスで日本時間19日午後、聖火リレーがスタートした。ランナーにはどんな人が選ばれているのか、渡辺祐史記者が取材した。

 初日の2番目に走るランナーに選ばれたタシー・スワロウさん(18)は、7歳の頃に地元の海でサーフィンを始め、イギリス代表として国際大会にも出場している。部屋には数々のトロフィーが並んでいる。

 スワロウさんは「私が選ばれるなんて夢にも思わなかった。通知が届いて自分の名前を見たときは本当に興奮したわ」と話す。

 サーフィンのイギリス代表にまで登りつめたスワロウさんが栄誉あるランナーに選ばれた背景には、もう1つの理由があった。スワロウさんは週1回、ボランティアで子供たちのサーフィン教室を開いている。競技だけでなく、スポーツを通してボランティアに打ち込む姿がオリンピック組織委員会の目に留まって、聖火リレーのランナーに選ばれたという。サーフィン教室の生徒たちは「教えるのが上手。準備運動も楽しい」「(聖火リレーなんて)びっくり。彼女を誇りに思う」と話した。

 ロンドンオリンピックの組織委員会は、イギリス国民の奉仕の精神をアピールしようと、聖火ランナーにも多くのチャリティー関係者を選んだ。スワロウさんは「子供たちに学ぶ機会をあげると、とても喜ぶわ。新しいことに取り組むチャンスになると思うの」と語った。

 スワロウさんは1番目のランナーから聖火を受け取り、無事に大役を果たした。その姿は、「スポーツを通した社会貢献」というオリンピックのもう1つの側面を象徴するものといえそうだ。