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菅前首相の行動で無用な混乱~民間事故調

2012年2月28日 19:09
菅前首相の行動で無用な混乱~民間事故調

 福島第一原発事故をめぐる首相官邸の初動での対応について、民間の事故調査検証委員会は27日、菅前首相の行動によって無用な混乱を引き起こした面があるなどとする報告書をまとめた。

 「福島原発事故独立検証委員会」は、弁護士やエネルギーの専門家ら民間の有識者6人で構成されている。報告書によると、官邸には当時、同時多発的な原発事故に対する事前の備えが不十分で、官邸の主要メンバーに基礎的知識が欠けていたことが混乱の一因であると指摘した。また、菅前首相が電源車の手配について「どこに何台あるのか教えろ」「バッテリーの大きさは?」などと直接担当者に電話で問いただしたと記述している。こうした菅前首相の対応について、関係者の一人は「細かいことを首相が聞くのは国としてどうなのか、ぞっとした」と答えている。

 また、情報が迅速に得られないことに不満を持った菅前首相は、関係省庁の情報ではなく、個人的に信頼する一部の人の意見だけを聞いていたと指摘。「政策決定の過程が不透明で、全て密室で決まっていた」と問題点を分析している。