菅首相の早期辞任が避けられないとの見方が強まる中、民主党内では、後継候補として野田財務相の名前が浮上している。

　菅首相の退陣時期が定まらない中、民主党内では早くも、「ポスト菅」をめぐる駆け引きが始まっている。

　野田氏は政策の継続性が見込まれる他、野党側にも一定のパイプがあることから、民主党内で菅首相の後継として名前が浮上している。党内の有力議員が「次は野田さんだろう」と指摘している他、菅首相周辺も「資質からいえば、有力候補ではある」と話している。また、野党・自民党の幹部も「常識的だ」と受け止めている。

　民主党内では前原前外相を推す声もある他、小沢元代表のグループや若手の間には、別の候補を擁立する動きもある。民主党執行部は早ければ来月上旬にも新しい代表を選出する考えだが、代表選の行方は紆余（うよ）曲折が予想される。

　一方、菅首相は、９日も東日本大震災からの復旧・復興に取り組む考えをあらためて示した。

　菅首相「仮設（住宅）に入った人が生活できるようにすることを、ガレキの処理、さらには原発（事故）の収束、そういったものについて一定のメドがつくまでは、責任をもって仕事をさせていただきたい」

　周辺によると、菅首相は１１年度第２次補正予算案の編成・成立まで成し遂げたい意向で、辞任の時期をめぐる駆け引きも続いている。