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1号機格納容器圧力下がる 注水量元に戻す

2011年4月30日 10:22
1号機格納容器圧力下がる 注水量元に戻す

 圧力容器の冷却に向けた作業が続く福島第一原子力発電所1号機で、格納容器を水で満たす試験的な作業が続く中、格納容器の圧力が下がったため、「東京電力」は注水の量を減らし、慎重に作業を続けている。

 東京電力は29日夜、1号機の原子炉建屋内の映像を公開した。これは、ロボットが建屋内の状況を確認するため26日に撮影したもので、水漏れなどの形跡はなかった。

 この1号機では、圧力容器そのものを冷やすために外側の格納容器を水で満たす「水棺」という作業が27日から試験的に行われている。送り込む水の量を一時間あたり6立方メートルから10立方メートルに増やしても水漏れなどは起きていないという。

 東京電力によると、水の量を増やした結果、原子炉下部の温度は水の量を増やす前より15℃以上下がったが、格納容器内の圧力も1.5気圧から1.1気圧まで下がった。圧力が1気圧を下回ると格納容器に酸素が流れ込み、水素爆発が起きやすくなるため、東京電力は29日から注水の量を元に戻した。今後も、温度や圧力の状況を見て慎重に水棺作業を続ける方針。