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大統領支持派突入で証言「与党議員の依頼」

2011年2月9日 8:29

 エジプト・カイロで先週、市民同士の衝突が起き、多数の死傷者が出た事件で、馬やラクダに乗って群衆に突入した集団の一人は、NNNの取材に対し、与党議員から依頼を受けていたことを認めた。

 2日から3日にかけて、カイロのタハリール広場で起きた反政府派とムバラク大統領支持派の衝突で、ムバラク大統領支持派は馬やラクダを連ねて突入するなど周到に準備していたことから、ムバラク政権の関与を疑う声が上がっていた。

 惨劇はなぜ起きたのか、馬やラクダに乗って突入した集団の一人に話を聞くことができた。ピラミッドを訪れる観光客相手の商売を営んでいるという男性で、「ギザのこの辺の仲間とタハリール広場に行ったんだ。ここで働く人間はみんなムバラク大統領が好きで辞めてほしくないのさ」と話す。質問を重ねるうちに、カメラの前では話せないとしつつも、具体的な名前を挙げながら与党議員から依頼があったことを認めた。政権側が事件に関与した可能性を示す新たな証言だ。

 エジプト政府は8日、事件を調査するための委員会を立ち上げた。本当に政権の関与はあったのか、真相究明が求められている。