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流出の米外交公電 当時の麻生首相の発言も

2010年11月29日 16:30

 海外に駐在するアメリカの外交官が本国に送る機密情報「外交公電」が内部告発サイト「ウィキリークス」に流れ、一部が28日、公表された。日本関連のものも含まれており、日本の外交活動にも影響が出る恐れがある。

 アメリカの新聞「ニューヨーク・タイムズ」によると、ウィキリークスは外交公電25万件を入手し、28日から部分的に公表を始めた。例えば、今年2月にアメリカの在韓国大使が送った公電には、北朝鮮の体制崩壊を想定して韓国側と協議したことが記されていた。また、「イランが北朝鮮から核弾頭を搭載できる中距離弾道ミサイル19基を獲得した」というアメリカの情報当局の分析を示す外交公電も明らかにされた。

 日本関連では、去年4月に麻生首相(当時)が中国を訪問した際に「胡錦濤国家主席は自信にあふれて落ち着いていたが、温家宝首相はとても疲れていて、経済危機への対応などでプレッシャーがあるようだ」と内部で話していたという情報が、北京のアメリカ大使館からワシントンに送られていた。情報ソースは梅田邦夫筆頭公使(当時)だと明記されていて、日本の外交活動にも影響が出る恐れがある。

 アメリカ・ホワイトハウスのギブス報道官は「文書の公開は、アメリカの外交政策や同盟国などにダメージを与え、外交官らを危険にさらす」とウィキリークスを強く非難した。