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カメムシ大量発生で注意報、果物や米に被害

2010年8月25日 23:44
カメムシ大量発生で注意報、果物や米に被害

 この夏、全国の果樹園で、果物がカメムシに汁を吸われて変形するなどの被害が相次いでいる。カメムシの大量発生は全国的に起きていて、28都道府県でカメムシに対する注意報や警報が出されている。

 静岡県内では今年、平年の6倍にも上るカメムシが発生していて、ナシなどの果物が被害を受けて収穫が大きく落ち込んでいる。ナシはカメムシに刺されると陥没するなどして変形してしまい、刺された部分は変色して固くなるため、商品としては価値がなくなってしまう。カメムシは袋の上からでも果汁を吸うため、被害は多い時で収穫量の2割に上るという。

 被害は果物だけではなく、稲穂の汁を吸って米を変色させてしまうカメムシもいる。農家は、ネットをかけたり、薬剤を利用したりと対策を講じているが、カメムシ被害を完全になくす方法はまだない。

 静岡県病害虫防除所の主任研究員・水井陽介氏は「カメムシはスギやヒノキの実を好むのですが、(去年の冷夏の影響で)今年はスギ、ヒノキの実が極端に少ない。そのため、スギ、ヒノキに(カメムシ)が行くことができなくて、果樹園に多く飛来しているのも原因の一つとして考えられます」と話している。