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アスベスト訴訟、国の責任初認定 大阪地裁

2010年5月19日 16:19
アスベスト訴訟、国の責任初認定 大阪地裁

 アスベストによる健康被害は国の責任だとして、大阪・泉南地域の元従業員らが訴えていた裁判で、大阪地裁は19日、初めて国の責任を認め、損害賠償の支払いを命じる判決を言い渡した。

 この裁判は、泉南地域の元労働者ら29人が、アスベストで健康被害を受けたのは国が必要な規制を怠ったためなどとして、計9億4600万円の損害賠償を求めていたもの。原告は、戦前からの健康調査で、国は遅くても47年までにはアスベストの危険性と健康被害を知っていたなどと主張し、国の法的責任を追及していたが、国は法廷で反論していた。

 判決で大阪地裁は、国は50年前には被害の発生を認識し、対策は喫緊の重要課題だったと指摘した。その上で、排気装置の設置などを義務付けなかったのは違法だとして、4億3500万円の損害賠償を命じた。