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グアンタナモ収容所の今 記者が取材

2010年3月13日 20:42

 キューバ・グアンタナモアメリカ軍基地内にあるテロ容疑者の収容所。ブッシュ前大統領時代、収容者への拷問で国際社会からも強い批判を浴び、オバマ大統領は就任後1年以内に閉鎖すると約束していた。期限が過ぎたグアンタナモ収容所の今を平野亜由子記者が取材した。

 グアンタナモ収容所には、アメリカが拘束したテロ容疑者が収容されている。ブッシュ政権下、グアンタナモ収容所では水責めなどの拷問が行われ、「アメリカによる人権侵害」の象徴とも言える場所となった。オバマ大統領は就任直後、今年1月22日までに施設を閉鎖すると宣言。ブッシュ政権との決別を強く打ち出したが、施設には今も約190人が収容されたままとなっている。収容者の移送先が決まらず、1年以内に閉鎖するとのオバマ大統領の公約は実現しなかった。

 オバマ政権は、新たな収容先としてアメリカ本土の刑務所を買収するなど閉鎖の方針は変わらないとしている。しかし、国民の多くは収容者の本土移送に強い拒否反応を示していて、目玉政策の実現は宙に浮いたままだ。

 オバマ大統領による「チェンジ」、改革を象徴するはずだったグアンタナモ収容所の閉鎖。しかし、閉鎖のめどすら立っておらず、改革実現の難しさを物語っている。