×

新型コロナで“内定取り消し”支援の手は?

2020年3月27日 19:16
新型コロナで“内定取り消し”支援の手は?

新型コロナウイルスの影響で4月から入るはずだった企業から、内定を取り消される学生が出ている。この先、どうすればよいのか、困惑する学生を支援する、新たな取り組みを取材した。

◆突然連絡…“新型コロナ”影響で内定取り消し

26日、都内のオフィスの一室では、この春、大学を卒業し社会人になる予定だったという男性が、就職活動に向けたカウンセリングを受けていた。

男性「3月頭ぐらいに内定先が取り消しになってしまったので、働き口を見つけなければいけない」

今月に入り、就職予定だった不動産系の会社から突然連絡があり、内定取り消しを告げられたという。

内定を取り消された男性「まさか、こういった形で自分に影響が出てくるとは全く思っていなくて」

会社からは、新型コロナウイルスの影響で取引が少なくなったことなどにより、今すぐには採用できないと説明されたという。

厚労省によると、新型コロナウイルスの影響で内定が取り消された大学生や高校生などは32人。新社会人としてのスタート目前の内定取り消し。どうすることもできないのだろうか?

就職活動中の学生に聞いてみると──

就活生(大学3年生)「もし内定取り消しってなったら、どうしようと不安になる」「今取り消されたら、もし私だったら本当に立ち直れない」

◆就職支援の会社が“内定取り消し119番窓口”

そこで訪ねたのは、都内にある若者の就職支援を行う会社『株式会社ジェイック』。

──新型コロナウイルスの感染拡大の影響は出ている?

新卒カレッジ事業部・田原満生事業部長「そうですね、かなり出ていると思います。当社でも内定取り消しされたという問い合わせをいくつかいただいている」

そこで始めたのが──

新卒カレッジ事業部・田原満生事業部長「“内定取り消し119番窓口”ということで、問い合わせの窓口を設置しています」

SNSで発信していたのは、無料で受けられる就職支援サービスの情報。相談のあった学生には、今からでも応募できる企業を紹介している。

新卒カレッジ事業部・田原満生事業部長「1人1人にあった支援、学生に合った会社を紹介したい」

さきほどの男性も、この会社の支援を受ける一人。

内定を取り消された男性「ひとまず働き口を見つけて、自分の生活費がまかなえるだけの給料がもらえれば」

◆受け入れ側の企業にも支援の動き

支援の動きは、受け入れ側の企業にも。

新入社員を迎える準備を進める、横浜市の家電量販店『ノジマ MARK IS みなとみらい店』が始めたのは──

人事総務部・田中義幸部長「もう一度、就職活動をしなくてはいけない人に向けて、緊急に特別枠を設けることにした」

新型コロナウイルスの影響で内定が取り消された学生を対象に、急きょ、追加の採用を決定。すでに2人に内定を出していた。

ほかにも、モスバーガーを展開する『モスフードサービス』や、小売りチェーン『ライフコーポレーション』などが、内定が取り消された学生の追加採用を発表。

企業側は、この時期に採用した学生には期待もよせている。

『ノジマ』人事総務部・田中義幸部長「(内定取り消し後)すぐに次の策はないかと当社を受けてくれる。素早くアクションがとれる学生じゃないかと。(取り組みが)世の中にも広がればいいんじゃないかと」

厚労省は、新型コロナウイルスの影響で内定取り消しにあった場合は、ハローワークに相談するよう呼びかけている。