5歳の孤児と暮らす44歳のホームレス女性
2019年フィリピンの首都マニラ。路上にヒモで手を縛られている子どもがいました。脳に病気をわずらう少年アンジェロ。ヒモは急に道路に飛び出すのを防ぐため。
面倒をみている女性はマルコ、44歳のホームレス。2人に血のつながりはありません。売春で生計をたてていた母親。アンジェロは客との間に生まれた子ども。母は麻薬を使った罪で刑務所に、父は行方をくらましました。
孤児になったアンジェロと出会ったマルコ。一緒に暮らし始めてもう3年が経ちます。アンジェロの世話をするため、定職はやめアルバイトで生計をたてます。ひと月の収入は500ペソ(約1000円)ほど。
マルコ「貧しいけど我慢しなきゃ」
そんななかでも誕生日には靴をプレゼント。
マルコ「350ペソ(約700円)だったかな。自分は靴もないけど、まずはアンジェロのこと」
この日マルコは街を奔走。5歳を迎えたアンジェロに初等教育を受けさせたいのです。
街の住民「実母は捕まったって言えば?大事なのはその子が学校に通えることだから」
実母のサインが必要と知ったマルコ。2人は母のいる刑務所に向かいます。刑務所の控え室。いつもと様子の違うアンジェロ。
マルコ「(お母さんが)ここにいるって、わかっているんじゃないかな」
マルコ「ダメだって、急には会えないって」
面会はかないませんでしたが、手もとに学校へ通うためのサインと撮影した音声が届きました。
アンジェロの母の音声「私の子どもの面倒を見てくれてありがとう。もう少しで出られるから」
やがて、実母は刑務所を出所。マルコはアンジェロを母のもとに引き渡しました。
マルコ「(病気が治って)アンジェロがしゃべれるようになったら、私のこと愛しているかアンジェロに聞きたい。愛してくれていたらいいな」
【the SOCIAL viewより】