神奈川・横浜市で駐車場に止められていた車に相次いでなんらかの液体がかけられる事件があった。計１４台の車でボンネットの塗装がはがれるなどの被害が出ている。何がかけられていたのだろうか？

　　　　◇

車に液体がかけられた事件。車のボンネットに液体をかけられたような跡がくっきりと残っている。近づいて見てみると、表面の塗装がひび割れたようにはがれてしまっていた。別の車でも同じように塗装がはがれ、めくれ上がってしまっている。

事件があったのは神奈川県横浜市の京急電鉄・黄金町駅から歩いて３分ほどにあるマンションの駐車場。警察によると、当時こちらの駐車場に止めてあったほとんどの車に液体のようなものがかけられていたという。

被害にあった男性「（午前）８時くらいに車に行ったらアメみたいなのがついてて、何かなと思ったら下地が出てきちゃって。そこにあるの全部だからね、ほとんどね。だから、ちょっとやるのもどうかなって」

さらにこの駐車場から２００メートルほどしか離れていない別の場所でも、車３台のボンネットなどに液体がかけられ、同じように塗装がはがれ落ちていた。警察はこの液体が塗料や樹脂などをはがすための「剥離剤」の可能性があるとみて調べを進めている。

剥離剤とはどのようなものなのだろうか？東京・江東区で自動車の修理などを行っている「千歳自動車鈑金工業」を訪ねてみた。剥離剤は車の塗装を塗り替える時などに、古い塗装を溶かしてはがすために使用するという。かけられた液体は剥離剤なのだろうか、被害にあった車の映像を見てもらうと――

馬場茂社長「剥離剤に間違いないと思います。最後はめくれ上がってしまっている。剥離剤のまんまだなと思います」

このような剥離剤は一般のホームセンターなどでも購入できるそうだが――

馬場社長「扱い方に気をつけないと目に入ったり、手についちゃうとひりひりするようなことがある」

実際に車の表面に剥離剤を使うとどうなるのだろうか？実演してもらった。剥離剤が車の塗装部分に付着した瞬間、一気に泡立つような状態に。そのまま５分ほど放置すると徐々に固まり、表面にべったりとくっついてしまった。

馬場社長「５分ほどたったのではがしてみたいと思います」

少し力を加えただけで、塗装がするするとはがれていく。また、今回のように一部分だけ剥離剤をかけられた場合でも、修理をするには全部とりかえる必要があるという。

馬場社長「（一部だけ修理しても）よく見ると段になっちゃうんですよ。塗装を仕上げた時に。だから大きくやっていかなくちゃいけない」

２つの駐車場で相次いだ車への液体被害。警察は同一犯の可能性があるとみて捜査している。