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広がりを欠く「国民民主党」苦しい胸の内

2018年4月28日 19:27
広がりを欠く「国民民主党」苦しい胸の内

民進党と希望の党は新党「国民民主党」を来月7日に立ち上げる。しかし、新党に参加しない議員も多く、広がりを欠いているのが現状。新人議員や党の代表それぞれの苦しい胸の内を取材した。

民進党と希望の党は今週、新党「国民民主党」を来月7日に立ち上げることで合意。安全保障関連法の「違憲部分の白紙撤回」や「2030年代 原発ゼロ」などを掲げている。

野党乱立の状況を打開するため、民進党53人、希望の党54人を合わせた100人規模の政党を目指したが…。

民進党・岡田元外相「国民民主党に参加しない」

民進党・安住元財務相「(安倍政権の)追及を一生懸命しろというのが国民の声じゃないの」

岡田元外相ら約4割の議員が参加しない見通しなのだ。国民民主党は衆議院では約40人規模にとどまり、立憲民主党に次ぐ野党第2党となる見込み。

広がりを欠く新党に危機感を募らせるのが、「希望の党」で当選した“1年生”議員だ。希望の党は、去年の衆議院選挙で「政権交代可能な二大政党」を目指し、新人候補を多数擁立して戦うも厳しい選挙戦に。結果として“1年生”議員は9人となった。

そのひとりが伊藤俊輔議員。同期の“1年生”に呼びかけ、新党への対応を協議していた。翻弄される“1年生”議員たち。悩んだ末、新党に行く決意を固め、入党届にサインする人もいた。

緑川貴士議員「1年待たずして、半年の間に党がこういう状況になってしまう。大変ですね、やっぱりそこは重く受け止めなければならない」

伊藤議員の地元でも厳しい声が飛んでいた。

伊藤議員「国民党ってどうですか」

女性「また何か古い方に戻る感じがありますけどね」

伊藤議員「野党どうですか」

別の女性「ばらばらじゃない。野党の決まった一つの方針とか筋が見当たらない」

なかなか理解を得られない伊藤議員だが…。

伊藤議員「5月7日の(新党へ行くかの)判断をする、そこまで、一体何をやりたい政党なのか打ち出した上で、判断したい」

こうした“1年生”の不安に党幹部はどう応えるのだろうか。玉木代表は…。

希望の党・玉木代表「いったんは小さくスタートしても、これからまた人を集め、立憲民主党さんはじめとする他の野党との連携、将来的な連携も考えながら、大きな政界再編を主導していきたいなと」

批判を跳ね返すためにも、政策のパンフレットを作成するなど、新党の準備を進める。さらに、政党名の略称についても、実際の選挙でどう見えるか、検証していた。

玉木代表「国民が第一だということを、綱領だけだと伝わりにくいことをしっかり伝えていく」

一方、ラブコールを受ける野党第一党の立憲民主党は、党と党の合流による数合わせのような野党再編にはくみしない考えを重ねて示している。

連休明けに正式発足する新党「国民民主党」。多難な船出となりそうだ。