日本レスリング協会は６日夜、緊急理事会後に会見を行い、栄和人氏が伊調馨選手と田南部力コーチに対して行った明確なパワハラが４件あったと発表した。栄氏は６日付で強化本部長を辞任した。

日本レスリング協会・福田富昭会長「伊調選手に対する、栄強化本部長の言動がパワハラにあたるとの認定を受け止め、伊調選手や関係コーチ、その他関係者にこの場を借りて深くおわびを申し上げます」

協会が依頼した第三者弁護士の調査結果によると、栄氏による明確なパワハラ行為は４件あった。

伊調選手に対しては、「よくオレの前でレスリングできるな」と発言したことや、代表選考から外したことについて、本人に十分な説明をしなかったことの２件。

田南部コーチに対しては、「伊調選手の指導をするな」と言ったことや、合宿中に正当な理由で外出した田南部コーチを、一方的に叱責（しっせき）したことの２件。

栄氏は６日付で強化本部長を辞任した。

一方、告発状が指摘した、練習拠点の出入りを禁止されたなどの事案は、パワハラと認定されなかった。

会見を受けて伊調馨選手は、「まだ内閣府の調査が続いておりますので、最終的にはその調査結果を待ちたいと思います。日本レスリング協会がアスリートファーストの確立に尽力されることを信じており、私も協力してまいります」などとコメントしている。