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今年の景気は?賃上げは?大企業トップ直撃

2018年1月5日 22:09
今年の景気は?賃上げは?大企業トップ直撃

大企業のトップらが一堂に会する新年恒例のパーティーが行われた。世界の景気が好調な中、今年の日本の景気はどうなるのか?私たちの給与は上がるのか、直撃した。

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<どうなる、今年の景気?>
【トヨタ自動車・豊田章男社長】
良くなりますよ!新年ですしね、今から悪くなると言ってたら先はないんじゃないですか。それはやっぱり年初から株価も、ああいう状態でスタートしましたし。

【みずほフィナンシャルグループ・佐藤康博社長】
よくなると思いますね。世界経済が非常に堅調であるということで、アメリカ経済はたぶん今年の方が去年よりももう少し良くなる。

【三井物産・安永竜夫社長】
アメリカ経済のファンダメンタル(経済活動の基礎的条件)が非常に強いことと、(アメリカの)税制改革、減税効果が後押しするということで。

【ロイヤルHD・菊地唯夫会長】
東京オリンピック・パラリンピックも近づいてきますので、ムード的なものもだいぶ上がってくるかなと。

■ほとんどの大企業トップから見通しは明るいとの答えが返ってきた。

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<不安要素は?>
【伊藤忠商事・岡藤正広社長】
これはね、唯一心配なのが北朝鮮の暴発と、それよりも、もっと心配なのがトランプ政権の暴走。この2つが一番心配ですね。

【西武HD・後藤高志社長】
朝鮮半島情勢、地政学リスクというのは、これは間違いなくある。

■大企業トップが最も注視するのは、緊迫する北朝鮮情勢。さらなる悪化は好調が続く世界経済全体に悪影響を及ぼすとみている。為替の動向もリスク要因のひとつだ。

【パナソニック・長榮周作会長】
円高になると1円で27億円の営業利益が飛んでいく。為替関係を注視しながら経営を進めていかないといけない。

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<首相の賃上げ要請に、経営側は?>
【安倍首相】
経済の好循環を回していくためには今年の賃上げ。はっきり申し上げまして3%、お願いをしたいと、こう思う次第でございます。

【サントリーHD・新浪剛史社長】
賃上げそのものは必ずします。(上げ幅)3%は目指すと。人材にもっと投資しなければいけない。

【アサヒグループHD・小路明善社長】
アサヒビール社で今年の年間報酬レベルを3%近く引き上げる。ボーナスも6.4か月分。

【大和証券・中田誠司社長】
3%はトータルで超える賃上げを実施して、20代30代の若手のところにはもうちょっと手厚くと思っています。

【セブン&アイHD・井阪隆一社長】
ええ、賃上げしたいと思っています。

【ローソン・竹増貞信社長】
今のところニュートラルです。

【JXTGホールディングス・木村康会長】
検討する必要はあるが、厳しい状況は続くのかな。景気の好循環に我々も入っていく必要があるし、それを(企業は)支える必要があると。

■労働時間を減らすことで実質的な賃上げを達成する企業も。

【野村HD・永井浩二グループCEO】
(給与が変わらなくても)時間に余裕ができれば、それは事実上の賃上げと一緒ですよね。

■好調な業績などを背景に、取材した15社のうち13社が賃上げを明言、または前向きに検討すると答えた。

<中小企業の賃上げは?>
【ランスタッド・増山郁夫専務】
緩やかな賃上げは、世の中の流れとして今、ついていかなければ。人手の確保ということは否めないと思います。

【ファーマーズ・フォレスト 松本謙社長】
パーセント(上げ幅)にとらわれず、考えていかなければ。

■中小企業も賃上げするというが、企業の業績が好調だからというよりも人手不足の中、人材を確保するためなどの答えが目立った。

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戌(いぬ)年の2018年。賃上げが景気回復へとつながり、犬笑う1年になるのだろうか?