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北への新制裁決議 中露に配慮“妥協案”へ

2017年9月12日 10:42

 国連安全保障理事会は、原油や石油精製品の輸出を制限する事などを盛り込んだ北朝鮮への新たな制裁決議を全会一致で採択した。制裁に慎重だった中国、ロシアも賛成している。

 新たな制裁は協議開始から1週間という短期間で決まった。当初は「最強」といわれた制裁決議はアメリカが中国、ロシアに配慮する形で「妥協案」へと変わった。

 決議では、原油の北朝鮮への輸出を過去1年間の輸出量を超えないようにする事や、ガソリンなどの石油精製品の輸出は年200万バレルを上限にするとしている。アメリカ政府関係者はこの制裁で北朝鮮への石油精製品の3割を削減できると強調した。

 アメリカ・ヘイリー国連大使「北朝鮮が武器開発に資金を投入し開発を進める能力をたたく考えです。石油こそが核開発の生命線なのです」

 しかし、アメリカが当初掲げていた原油、石油精製品の全面輸出禁止は中国、ロシアに配慮する形で見送られた。

 中国・劉国連大使「中国はアメリカに4つのことを求めます。北朝鮮の現体制を変更させない。現体制を崩壊させない。朝鮮半島の統一を急がない。38度線を軍隊が越えない。この4つです」

 安保理終了後、ロシアと中国の大使は笑顔で歩きながら会場を後にした。一方、安保理の会場には北朝鮮の国連関係者が姿を見せた。

 北朝鮮国連大使「制裁決議案に関心はありません」

 北朝鮮は新たな決議について「いかなる最終手段も辞さない準備を整えている」と軍事的挑発を示唆していて、決議を受けた北朝鮮の出方が今後の焦点になる。